('A`)青い鳥が鳴くようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:04:49.61 ID:oaWXW6B70
- 代理店
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:09:15.78 ID:0hSIHc9uO
- >>1代理乙です
ながらゆっくり行きます
http://librarism.web.fc2.com/aoitori/0.htm
らいぶらリズムさんがまとめて下さってます
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:15:50.13 ID:0hSIHc9uO
- 第二話「白痴と白昼夢」
(´・ω・`)「なにその胡散臭いお話は」
ショボンはそう言って俺の話を切り捨てた。
('A`)「ですよねー」
クーとなんとも言えない邂逅を果たした翌日、俺はショボンに前日のことを語っていた。
うんまあ普通に考えて信じられる話ではない。
(´・ω・`)「青髪の女が現れて百万出現させたって、ねえ?」
あのあと札束を数えてみたがきっかり百人の諭吉さんがそこにはいらっしゃった。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:20:18.67 ID:kMr0gX2j0
- 待ってたー支援
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:21:33.20 ID:0hSIHc9uO
- (´・ω・`)「んでそのクーちゃんだっけ?年はどれくらいなの?」
先程ばっさり切り捨てた割には何故かショボンは質問をしてくる。
('A`)「信じてるのか信じてないのか、どっちだ」
(´・ω・`)「君の話は信じたくないが君のことは信じたいからね」
……いや、別にかっこよく無いぞ?
('A`)「なんかそういうこと言われるとケツがキュッてなるからやめろ」
(´・ω・`)「まあそれは冗談にしても、君がそんな嘘つく理由が無いし」
なかなかどうして、このショボンという男には合理的なところがある。
そこらへんが俺みたいな人間と仲良く出来る理由なのかも知れなかった。
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:24:24.45 ID:+DlCcMoJO
- よし、支援だ
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:27:46.77 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「うんまあ年は……俺らより少し低いかな」
(´・ω・`)「かな、って聞かなかったのかい?」
('A`)「……忘れてた」
昨日は突如出現した札束に気を取られてしまった。
冷静に考えると何一つ質問をしていなかった。
(;´・ω・`)「君はほんと一つのことにしか集中出来ないよね」
('A`)「失敬な。人を不器用なやつみたいに言うな」
(;´・ω・`)「みたいなじゃなくてそう言ってるんだよ……」
はあ、とショボンは大袈裟にため息をついた。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:34:35.16 ID:0hSIHc9uO
- (´・ω・`)「……で、その彼女は今どこにいるの?」
('A`)「家にいるように言ってある」
あんなことをされた後じゃ出ていけとも言えず結局泊めることになった。
今になって思うとジョセイを家に上げるのすら初めてだったが、昨日そんな感慨に浸る余裕もなかった。
(´・ω・`)「君も律儀なやつだな」
('A`)「それが人気者の秘訣だよ、ショボンくん」
(´・ω・`)「友達いない癖に良く言うよ」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:40:17.84 ID:5HHHa5yv0
- 1話読んでた支援
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:42:13.64 ID:0hSIHc9uO
- (´・ω・`)「なんかイメージ湧かないんだよね、非現実的過ぎて」
('A`)「なら今日家に来るか?」
何にしろいずれ誰かの手を借りる必要が生じるだろう。
そして俺にとっての誰かは目の前の八の字眉しかいない。
(´・ω・`)「そうしたいのは山々だが今日も少し用事があってね」
('A`)「そうか、残念だ」
まあ誘ったのが急だったししょうがないだろう。
(´・ω・`)「どんな感じなのかせめて見た目だけでも知っておきたいんだがね」
眉を普段より三割増しで垂らしながらショボンが言った。
百万を出現させる青髪の女、というのはそれなりにこいつの知的好奇心を刺激したようだ。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:48:46.30 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「……ちょっとペンと紙くれや」
(´・ω・`)「あ、いやそこまでしなくとも」
俺の意図に気がついたのか、ショボンは俺の申し出を断った。
('A`)「良いから寄越せって」
(´・ω・`)「……まあ、そこまで言うなら」
半ば強引にシャーペンとノートの切れ端を受け取って、それを使って絵を描き始める。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 21:57:13.56 ID:0hSIHc9uO
- まず非常に特徴的なのが青い髪だが、シャーペンでは黒以外の色は表現出来ない。
しかし、思い出してみるとなかなかに整った顔をしていた。
(-A-)
スッ、と軽く目を閉じると彼女の顔がありありと浮かぶ。
あとは写生の要領でその映像を描くだけだ。
('A`)「まあこんな顔だ」
川 ゚ -゚)
そこに現れたのは紛れもなく彼女だった。
青い髪は例外にしてもスッキリとした目鼻立ちや、理知的な顔つきは彼女そのものだ。
もはや、忌ま忌ましいと思うことも薄れるほどに我ながらそっくりに描けている。
(´・ω・`)「……お見事」
遠慮がちに、ショボンが言った。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:06:54.23 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「別に俺が凄いわけではないがな」
少し苛立つように吐き捨ててしまった。
そうさせているのは先程俺が書いた絵に他ならないのだが。
(´・ω・`)「ふうん、綺麗な人なんだね、君の絵を見る限りは」
('A`)「実際綺麗だとは思うよ」
俺がそう答えたところでショボンがいかにもしまった、とでもいうような表情をした。
(;´・ω・`)「あ、ごめん……」
('A`)「良いって、もう慣れちゃったから」
もうそれすらもどうでも良い、とはさすがに言わなかったが。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:16:41.54 ID:0hSIHc9uO
- ※
結局その後クーの絵をショボンに渡し、俺たちは分かれた。
('A`)「右を見ればギャル、左を見ればキャッチ」
そんなことを呟きながら、センター街を抜ける。
('A`)「帰ってきたぞ我がぼろ家」
さてさてクーはちゃんと留守を守ってくれたのだろうか。
ギシギシと音を出しながら階段を上り、愛すべき我が六畳一間の入り口へ手をかけた。
('A`)「ただいま」
俺が入ったその時彼女は。
川 ゚ -゚)「早かったな」
無数の羽毛の上に寝そべっていた。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:22:26.98 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「いやいやいや」
羽毛だと布団かと思われる方もいるかも知れないからここで否定しておこう。
川 ゚ -゚)「?どうした早く入れ」
彼女、クーが寝そべっているのは
('A`)「いやいやいや」
紛れもなくただの羽毛、もっと分かりやすく言えば鳥の羽だ。
確かに羽毛布団は冬の寒い時も柔らかで暖かな安眠を我々に届けてくれる。
しかし、そのありがたい中身も剥き出しとなっては有害なことこの上ない。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:29:10.78 ID:0hSIHc9uO
- (;'A`)「ゴホッ……え?ゴホッ……な、に……ゴホッ……これゴホッ、ゴホッ」
羽毛が器官に入ってくるのか、やたらと呼吸が苦しい。
まともに話すこともままならない。
川 ゚ -゚)「何かあったのか?」
いやなんでこんな状況で平然としてんだよ。
つーか動くな、羽毛が舞ってんじゃねーか。
(;'A`)「いや何だよこれどうなってんの」
必死の形相で一つしかない窓を開け、同じく開かれた扉との間に風の通り道を作る。
そこでようやくまともに呼吸できるようになった。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:35:52.22 ID:0hSIHc9uO
- 川 ゚ -゚)「これがないと落ち着かなくてな、貰った」
('A`)「貰ったってなんだ貰ったって」
もうやだこの電波野郎。
('A`)「ご丁寧にこれまで青色かよ」
ほうきで羽毛を掃き出しながらぼやく。
川 ゚ -゚)「そりゃ元は私の羽だしな」
('A`)「はいはいワロスワロス」
というかお前が掃除しろよ。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:42:34.34 ID:0hSIHc9uO
- 実のところ、俺はこいつが別次元から来たということを今一信用しきっていない。
そりゃ昨日百万を突如出現されたのは焦ったが、それだけで信じるのは難しいだろう。
手品かも知れないし、最悪ただの超能力かも知れない。
('A`)「ただの超能力ってなんだろうなあ……」
もはや別次元やら百万やらで感覚が麻痺してるの可能性もある。
川 ゚ -゚)「どうした急に」
('A`)「いや独り言だ……はい掃除終わり」
なんとか綺麗にすることは出来た。
結局クーは手伝い一つしなかった。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:48:34.94 ID:0hSIHc9uO
- 川 ゚ -゚)「何回綺麗にしようとその都度届けられるから意味無いと思うぞ」
('A`)「俺は何も聞こえない」
正直こいつの諸々を信じそうな俺がいるのも確かだった。
だけどまだ屈することは出来ない。
なんとか現実論者としてのキャラ維持を試みる俺だった。
川 ゚ -゚)「しかし暇だった、この部屋はほんとに何も無いんだな」
('A`)「やかましい、泊めてやってるだけありがたいと思え」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 22:54:38.91 ID:0hSIHc9uO
- 川 ゚ -゚)「しかしこんなものが出てきたぞ」
そう言って彼女は部屋の隅から一枚の画用紙を取り出した。
そこには街の絵が描かれていた。
その街は渋谷でも無ければ海外の有名な町並みでも無い。
('A`)「なんの絵だそれは」
というか俺には覚えがなかった。
川 ゚ -゚)「私が聞きたいぐらいだ」
ズイッとクーが身を乗り出した。
川 ゚ -゚)「何故お前がこの絵を持っている」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:00:22.73 ID:0hSIHc9uO
- (;'A`)「な、何故って……」
理由は良くわからないがクーはかなり絵のことを知りたがっているらしい。
無表情ながらも迫ってくるその剣幕に、思わずたじろいだ。
(;'A`)「ちょっと見せろ」
クーから絵を受け取り、眺めてみる。
見覚えの無い街だが一つ分かることがある。
これは、俺の絵だ。
異常なまでに繊細なタッチでその絵は描かれている。
病的なまでに書き込まれたそれは、写真とみまごうほどだ。
川 ゚ -゚)「なにか覚えはあるか」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:05:57.76 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「描いた覚えはないが、これは俺の絵だ」
川 ゚ -゚)「間違いはないのか」
クーは俺との距離を詰めた。
六畳一間が相対的に広く感じられる。
('A`)「ああ、このタッチは俺しかいないだろう」
忌ま忌ましいほどにリアルなその絵を見て、俺は毒づいた。
川 ゚ -゚)「なら何故お前がこの絵を描いた」
('A`)「それは分からん、描いた覚えが無いと言ったろう?」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:11:20.07 ID:0hSIHc9uO
- 川 ゚ -゚)「むう……」
呆れたような、諦めたような声で、クーは唸った。
('A`)「その絵がどうした、欲しいならやるぞ」
川 ゚ -゚)「そうか、では頂こう」
('A`)「その絵はなんなんだ一体」
絵をやる代わりに教えてくれ、と俺は付け加えた。
川 ゚ -゚)「これは私が生まれた街、つまり別次元の街の絵だ」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:16:08.49 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「なんでその街を俺が描かなければならんのだ」
そもそも別次元についても半信半疑だし。
川 ゚ -゚)「それが分からんから困っているんだ」
('A`)「ただ、一つ言えることはだな」
('A`)「その街を、俺は見たことがある」
そう、これだけははっきり言える。
俺が絵を描いたということは確実にそうなんだろう。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:21:30.56 ID:0hSIHc9uO
- 川 ゚ -゚)「?何故そう言えるんだ?」
('A`)「まあそれは後で話すとして、飯食いに行こうぜ」
俺はあまりに古典的な手法で話を逸らした。
川 ゚ -゚)「……そうだな」
逸らし方として適切かはともかくとして時間は午後7時前。
そろそろ腹が減って来たのも事実だった。
('A`)「お前が出した百万使って旨いもんでも食おう」
真っ当でない金を使うのは気が引けるがこいつの生活費にもなるのだ、利用させてもらおう。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:29:32.26 ID:0hSIHc9uO
- ('A`)「しっかしこれどうなってんだろうな……」
どっからどう見ても本物だ。
寸分の狂いもなく一万円札である。
('A`)「ん……」
ふと、頭の中で何かが引っかかった。
俺の記憶が正しければ昨日クーは一枚の一万円札をじっと眺めていた。
そしてそれから百万が出現した。
(;'A`)「まさか……」
札束を一枚一枚見るとそれらは全部一切の違いがなく同一だった。
そう、製造番号も。
(;'A`)「そんな……」
つまりただの偽札となんの違いも無い。
さまざま罪状が脳内を通過する。
川 ゚ -゚)「どうした早く行くぞ」
(;'A`)「…………」
その日のもやし炒めは、何故だかしょっぱかった。
塩を少々、入れすぎたらしい。
第二話 終わり
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:30:43.30 ID:0hSIHc9uO
- 今日はここまでです
伏線張りが多かったので盛り上がりにかけたかも知れないです
それでは、支援ありがとうございました
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:30:58.58 ID:5HHHa5yv0
- 乙
やっぱ製造番号違うと銀行まずいのか
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:33:24.18 ID:kMr0gX2j0
- 乙
続きも期待
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします投稿日:2009/10/05(月) 23:33:39.20 ID:/1Z34njf0
- 乙
ドクオのキャラ的にも使いづらいんじゃね
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